不動産バブルはいつ崩壊するのか?

不動産バブル
(写真=Thinkstock/Getty Images)

不動産取引が活発化!不動産バブル到来か?

 自民党政権が発足した2013年より、不動産市場は急激に取引が急速に活発化し、2014年の上場企業およびJ-REITなどによる不動産売買額の総額は5600億円に達した。これは前回のピークであった2007年の54000億円にほとんど並ぶ水準である。超大型不動産の取引を除いた1千億円未満の不動産取引総額では2007年を超え過去最高の取引価格を記録している。

 特に海外企業や海外ファンドからの投資マネーは2014年には公開ベースで1兆円に到達し、2007年の5000億円の倍に匹敵する額の不動産投資マネーが流入したことになる。2007年も現在同様、1ドル120円の円安だったことを考えると、円安による為替メリットだけでは現在の不動産投資マネーの流入の説明はつかない。前回のミニバブルと呼ばれた2007年当時と異なる一つの大きな流れとしては、アジアからの資金の流入が挙げられるだろう。円安の追い風のなか、中国や台湾の投資家がこぞって日本の不動産を取得している記事を目にする機会が多くなっている。建材価格高騰により価格上昇に苦戦している新築デベロッパーは、利益を確保するために昨年より日本人相手ではなく台湾や中国の富裕層に向けた販売に重点を置いている。その証拠に、財閥系不動産会社が企画する新築物件バスツアーには多くの台湾の投資家が参加している。

 ただし活況のマーケットは東京や大阪といった大都市に限られている。千葉や埼玉の分譲マンションは海外富裕層に知名度がないこともあり、販売価格の高騰で厳しい状況にある。とりわけ、昨年は初月契約70%割れとなる月が過半を占めるなど、二極化する不動産取引市場において不動産バブルの兆しがあるかを検証したい。

都心の不動産は2006年始めの相場

 グラフは日本不動産研究所が開示している過去12年間の調査レポートから抜き出した不動産取引の取引利回りの推移である。日本不動産研究所は半年に一度、アセットマネージャーや開発デベロッパー、商業銀行などプロの投資家に向けた意識調査をしている。

 プロの目線から見た場合の都心の不動産のマーケットは2006年年初とほぼ同様の水準になっている。城東地域に限ってはワンルーム、ファミリー物件ともに0.2-0.25%ほど利回りが低下している傾向が見て取れるが、これは東京スカイツリーの効果もあるだろう。前回の2008年にミニバブルが崩壊したことを考慮すると、2017年ごろまでは現在のマーケットが維持されるだろう。

 2008年のミニバブルの崩壊は海外投資家のマネーの撤退とともに、金融庁が審査の厳格化を理由に行った銀行の「貸し渋り・貸し剥がし」も大きな原因であった。当時黒字決算でも倒産した不動産業者が相次いだのは銀行が融資を凍結したことによると指摘されている。

 筆者も当時不動産事業を営んでいたが、ほかの投資家と同じく2008年には金融機関が突如融資が通りにくくなる「貸し渋り」があったことを記憶している。また同業各社では、借り換えを前提に進めていた不動産プロジェクトにおいて、金融機関が借り換えを行わない「貸しはがし」も多くあった。結果、同年には上場企業が33社倒産するという戦後最大の記録となったが、そのうち24社は建築・不動産業者だった。当時は市場にお金を流さないコンセンサスが金融庁・銀行双方に存在していたが、現在はアベノミクスによる異次元の金融緩和政策が進行中である。政策的に市場に大量のマネーを流通させることをコミットメントしているのである。

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現在は不動産バブル前夜!?

 2006年から2007年の不動産取引マーケットでは、海外投資家による物件取得合戦のため、一部異常な取引が行われていた。価格が上昇するなか、同じ物件が何度も市場に登場し、昨年自社が売った物件を価格を上乗せして再取得するといった取引も発生するほどになっていた。

 住宅分野でもマンションの価格が年々上昇し、「新価格」、「新々価格」などのキーワードが経済誌に散見されるようになっていった。

 上記と比べると2015年の現在、不動産マーケットは2006年当時のような過熱感は感じられない。投資利回り(=取引価格相場)で見れば確かに2006年当時の水準ではあるものの、市場はもう少し落ち着いているようだ。

 図は同じく日本不動産研究所の投資家調査を元に作成した投資家の期待利回りと実際の取引利回りの差の推移を分析したグラフである。

 ミニバブルが発生した2005年から2007年のマーケットでは期待利回りとのギャップが0.4%を中心に動いていたのに対し、2009年以降はその値が0.2%近辺に集中している。これは価格上昇が市場の予想を超えていないことを意味している。少なくともミニバブル当時ほど加熱化はしていない。

 すなわち、現在は不動産バブル以前の水準であると理解できる。不動産バブルが来るとすれば2017年以降オリンピックの前あたりではないだろうか。不動産投資家にとってはまだ勝負できるマーケットだといえるだろう。

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2015年5月1日 12:00 PM カテゴリー: 不動産投資

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