ご注意を!入居率99%に隠された空室率のからくりとは!?

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実際の空室率と瞬間的な空室率

管理物件が10,000戸ある会社だとすると、201〇年3月末時点で10000戸中100戸の空室がある状態です。

さて、100戸の空室があるわけですが、3月31日に退去、4月1日に入居というのは現実的ではありません。
事実、入退去毎にお部屋のクリーニングなどの原状回復工事が必要であったり、次の入居者がなかなか決まらなかったりと様々な理由で、空室期間というものが存在します。時点空室率では実際の空室率は分からないという事です。
如何に時点空室率高くても、年間を通しての実際の空室期間を考慮すると、実際の空室率と時点空室率がかけ離れていることがあります。
時点空室率を目安に考えてしまうと、運営収益が予想を下回る結果となってしまう恐れがあります。

不動産会社が発表する空室率には定義がない

不動産会社の中には空室期間について、このような注意書きをしている会社があります。
「空室期間の計算において、退去後の原状回復工事期間は空室期間から除く」
つまり、実際には賃料が入ってこない状態ですが、入居できない期間であるという理由で空室期間に含めないといっている状態です。
投資家からすれば賃料が入ってこない期間が空室期間なので、これでは適正な空室率とはいえません。

また、このような注意書きをしている会社もあります。
「空室期間は、原状回復工事が終了した翌日か賃貸借契約が締結された日の前日とする」
賃貸借契約を締結したとはいえ、賃貸借契約が開始する日は翌月や翌々月という事もあります。前述の通り、投資家にとっての空室期間とは賃料が入ってこない期間ですから、これも適正な空室率とはいえません。

実際に比較してみましょう。
例えば、3月31日に退去、4月15日に原状回復工事完了、5月1日に賃貸借契約締結、契約開始が6月1日で空室期間を計算した場合、以下となります。

① 不動産会社の計算

4月16日~4月30日までが空室期間としていますので、空室期間は15日になります。

② 投資家の立場で計算

4月1日~5月30日までが空空室間となりますので、空室期間は61日になります。

このように空室率の計算根拠は不動産会社によって異なるため、不動産会社が表示している空室率を単純比較する事が出来ません。

では何故、空室率の計算根拠が異なるか。
それは不動産業界では空室率の定義が定められていないからです。
不動産会社は営業会社ですから、一番良い結果が出る計算方法で空室率を計算することが自然な結果です。

現実的な空室率の計算とは

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まず大手賃貸情報サイトによると、1Rや1Kなどのシングル世帯の平均入居期間は2年を切る1.8か月であるとされています。1棟アパートであった場合、平均4年で入居者が1回転(10室であれば年平均2.5室が入れ替わる)するといわれています。

では、仮に区分マンション1室所有しているとして、2年毎に入退去があった場合の空室率を計算してみましょう。

前提条件:365日×2年=730日が最大稼働となります。
空室期間が5日だった場合:5日÷730日=0.7%
空室期間が15日だった場合:15日÷730日=2.0%
空室期間が30日だった場合:30日÷730日=4.1%
空室期間が60日だった場合:60日÷730日=8.2%

最初の入居率99%を現実的な数値に置き換えてみると以下になります。
空室率1%=〇〇÷730日ですから、○○に入る日数は「7日」となります。立地の良い新築であれば、最短で工事が完了さえすれば7日以内で入退去を済ませることも可能な場合もあるかと思います。
しかし、当初新築であった建物も一度入居したら中古物件となりますので、新築プレミアと呼ばれる効果はなくなり、他の中古物件と横並びの競争にさらされることになります。周辺の競合次第ではありますが、一般的には新築時の賃料から下がります。賃料値下げをしてすぐに決まるようにするか、新築時の賃料を維持して空室期間が多少長くなるか、経営判断が必要になるところです。

最初の想定空室率をどの程度見込むかがカギ!

想定空室率を1%と見積もっていると7日以上空いた場合、収支が想定より悪化することになりかねません。
30日くらい(想定空室率4%)は募集などで空室が出るだろうと見込んでおくことで、より現実的な収支を想定することが大切です。
不動産会社は販売しやすくするために、実際より収益が多くでるような収支計算をしていることが多いので、購入後に多くの人がこんなはずではなかったとなってしまうのです。
当然、初めての投資であれば分からないことばかりで、不動産会社から提案された資料が本当であると信じてしまいます。
もちろん入居率99%が嘘であるわけではありませんが、前述の通り不動産会社では瞬間最大的な入居率を採用していることが多いのです。

不動産投資は賃貸事業ですから空室率のマジックに惑わされないように、会社毎の空室率の計算根拠をしっかり確認しておくことが大切です。

人口が多い首都圏においても全体の空室率が30%を超えている現在、これまで以上に空室率に対する予測を厳しく想定する必要があります。

賢い不動産投資を始めよう

賢い不動産投資を始めよう

2017年2月21日 4:46 PM カテゴリー: 不動産投資, 投資分析

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